サイクリングと音楽。これは割と根深いテーマではないかと思います。何を聴くか、どう聴くか、そもそも音楽は必要なのか、等々。デバイスについてだけ言えば、サイクリング中、周囲の音が聞こえるよう、耳穴をふさがない状態で、安全に音楽を聴くとなると、骨伝導イヤホンは非常に有用と言えるでしょう。ということで今回は、骨伝導イヤホンの製品インプレッションを書いてみようと思います。
私がもっているのは、Shokz(旧AfterShokz)というメーカーの Xtrainerz という製品です。買ったのは2~3年ほど前です。サイクリング時は毎回ほぼ装着してますので、買ってからは結構使ってることになります。2022年2月現時点で、まだ現行モデルです。たしか18000円位したと思います。
Shokz Xtrainerz を選んだ理由
Shokz は骨伝導イヤホンでは一番有名なメーカーですね。他にも色々なメーカーの骨伝導イヤホンがありましたが、購入後に後悔するのが嫌でしたので、とりあえず一番有名なメーカー、ということで決めました。
Shokz の骨伝導イヤホンは、当時、次の二つのラインナップでした(現在ではもう少し製品ラインナップが増えています)。
・Bluetooth機能あり:Aeropex
・Bluetooth機能なし:Xtrainerz
Bluetooth機能ありというのは、音楽データ(MP3やYouTubeなど)をスマホから飛ばしてイヤホンで聴くということですね。
Bluetooth機能なしというのは、音楽データ(MP3)はあらかじめイヤホン自体に保存しておき、それを聴く、ということです。
つまり、音楽を聴くためには、
・Aeropex:スマホ必要
・Xtrainerz:スマホ不要
ということになります。
サイクリングの時って、スマホのバッテリーをあまり消耗したくないのですよね。イザという時に地図を見たり、緊急の連絡をしたりと、ある意味ライフラインなので。ですので、スマホ無しで音楽が聴けるXtrainerzを購入しました。
Xtrainerzだと、あらかじめ保存しておいた音楽だけしか聴けないので、もし、そのときの気分で色々な音楽を聴きたいって人はAeropexのほうが良いかもしれません。
でも私はやっぱりスマホのバッテリーの消耗が気になるのですよね。前の晩にスマホの充電を忘れていて、バッテリー残量が少ないままサイクリングに行く、なんてケースはアルアルですし。そんなときも気兼ねなく音楽を聴けるのは、大きなメリットだと思います。
Shokz Xtrainerz の音の聞こえ方
サイクリングしていると、周りの自動車の音、特に後ろから近づいていくる自動車の音が非常に重要ですが、音楽再生中でも良く聞こえます。ボリュームを上げても周りの音は聞こえますが、やっぱり音楽よりも命が大事ですので、ボリュームはホドホドにするべきでしょう。
この、ボリュームホドホドの場合、イヤホンの音楽は風切り音で結構消えます(涙)。これは割と悲しい事実なのですが、小さく奏でられた音は風切り音ですべて消えます。
たとえば、ホスルトの惑星を骨伝導イヤホンでサイクリング中に聴いたらどうなるでしょうか。
火星 聴こえる
金星 聴こえない(約8分無音)
水星 時々聴こえる
木星 聴こえる
土星 時々聴こえる
天王星 時々聴こえる
海王星 聴こえない(約9分無音)
とまあ、こんな感じです。音が何分も聴こえないと「あれ?故障?」と不安になるのですよね。
なので音楽の楽しみ方としては
・それなりのものと割り切る
・音量に抑揚がある音楽は避ける
・消えた音を脳内補完できる馴染みの曲を聴く
・時々聴こえなくてもOKと割切る
って感じかと思います。
ですので、サイクリング中に聴くものとして、英語教材とかオーディオブックとか落語とかは不向きなんじゃないかなって思います。私は試したことは無いですけど、風切り音でかなり消えるでしょうし、意識をそちらに取られすぎても危ないですし。
Shokz Xtrainerz の音質
サイクリング中の骨伝導イヤホンの音は、常に風切り音越しの音ですので、音質を追求しても意味がないのですよね。2022年現在、Shokzから新しいハイエンドモデル OPENRUN PRO という製品がラインナップされました。低音がより聴こえるようになったようですが、サイクリングで使用することを考えるならば、音質にこだわっても仕方ないのかな、というのが正直な感想です。
Shokz Xtrainerz の装着感
買った当初は、5時間ほどずっと装着していると、こめかみ部を圧迫されたせいか、軽い頭痛がすることがありました。でも今はもう慣れて頭痛はしなくなりました。それと、今はもう、5時間も装着しません。ロングライドの最後の2時間だけ装着し、それ以外はずっと首にネックレスのように巻きつけてます。ぶっちゃけ、サイクリング中に音楽なんてそんなに必要ないのですよね(と今ではそう思っています)。サイクリングで音楽が必要なのは、ロングライドの最後の2時間、気力も体力もへばって集中力が落ちてきた時ですね。その2時間だけ Xtrainerz を装着する、そういうスタイルで使用しています。なので、頭痛問題は今ではまったく発生していません。
Xtrainerz は約30gと大変軽いので、耳に装着しても、重さをまったく感じません。軽すぎて装着してることを忘れてしまうくらいです。仕事で相手先のとこに行って、ずっと付けたまま打合せしてた、なんてことも起こりえます。
あと、コロナのせいでマスクをするようになり、ヘルメットやメガネなどと干渉し、耳周りがかなり混雑するようになりました。マスクの紐と骨伝導イヤホンがよくこんがらがりますね。マスクを着脱するときだけ気をつければ済む話ですけど。
Shokz Xtrainerz の操作性
サイクリングでは冬は分厚いグローブをしますけど、この分厚いグローブで Xtrainerz のあの小さなボタンを操作するのは割と難しいです。なので冬はあまり操作しないのがコツですね。装着したらONにして、あとは帰宅したらOFFにする、そのくらいが良いです。
この道のこの辺であの曲を流して…みたいな操作はまず出来ません。冬の分厚いグローブ越しではまず無理ですし、夏場でもそんな操作に意識が行くと事故の元ですのでやめたほうが良いですね。
以上、Shokz Xtrainerz の製品インプレッションでした。
ありがとうございました!!