自転車にお金をかけるべきか否か? これ、結構論争になります。ガチレース勢ならお金をかけるのが当然でしょうけど、ホビーライダー勢なら安い自転車で十分なんじゃないでしょうか。その理由についてです。
理由① お金をかけると盗まれる
当たり前ですけど、自転車はよく盗まれます。使う為だけじゃなく、売る為にも盗まれます。
この図のように、盗難リスクは、エントリーロードの価格帯からグングン上がります。盗難されないよう、U字ロック、地球ロック、GPSデバイス、など色々な対策がありますが、一番の対策は、乗ったら帰宅するまで降りないことですね。
この盗難リスクが、サイクリングにネガティブな影響を及ぼします。
理由② 盗まれるのでグルメできない
遠出すると、行った先で美味しいものが食べたくなります。でも、高い自転車だと盗難が怖くて気軽にグルメできません。
理由③ 盗まれるので散策できない
遠出すると、神社仏閣巡りなど、名所旧跡を探索したくなります。海沿いを走ると、ビーチで休んだり、貝殻を拾ったりしたくなります。帰りがけに疲れると、銭湯やスパ銭でリラックスもしたくなります。でもそういうのが気軽にエンジョイできません。
理由④ 盗まれるのでトイレに行けない
高い自転車だと、コンビニでトイレに行くのもドキドキします。一番安心なのは、公園の身障者用トイレに自転車ごと入って用を足すことですが、身障者用トイレのそういう利用が有りかどうか、なかなか厄介な問題ですね。
理由⑤ お金をかけてもキリがない
高価な自転車ほど速く走れますが、上を見ればキリがありません。どこかで折り合いをつける必要があります。でも、どこで折り合いをつければ良いのか、よくわかりません。なので、
とりあえず
買える範囲で一番いいやつを買うか…
となりがちです。でも事情がわかってくると、別の選択ができるかもしれません。
上図のように、価格とスピードの関数は、曲率が一定ではありません。あるところまで急で、そこからは緩やかになります。
ある価格から先は、
- いくら投資してもお金が吸われるように消え
- その割に効果が実感できず
- 一度投資してしまうとなかなか抜け出せない
ある意味「沼」のような世界ということです。
ガチ勢ならまだしも、ボビーライダー勢が沼に積極的に足を踏み入れる理由は、あまり思い当たりません。君子危うきに近寄らずで、自転車にかけるお金はホドホドにとどめ、浮いたお金でグルメをエンジョイする、なんていうのも、考えられる選択です。
理由⑥ 速いと危険
高価な自転車ほどスピードが出ます。スピードを出すほど落車したときにダメージを受けます。ロードバイクの場合は前傾姿勢が深いですから、余計ダメージを受けます。悪くすると、二度とサイクリングできない体になることもあります。
かつて首相候補とも目された、自民党元総裁の谷垣禎一さん。幹事長を務めていた2016年の夏、自転車事故で頸髄を損傷し、重度の障害を負いました。現在、リハビリを続けながら、静かなリタイア生活を送る谷垣さんは、令和の日本を、どう眺めているのでしょうか。https://t.co/1yebVq2JpW
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) July 30, 2022
サイクリング好きな人は、多かれ少なかれスピード狂体質でしょうから、安全運転を心がけても、ついついスピードを出してしまいます。自制心に自信がない人は、始めから速い自転車に乗らない、というのも手ですね。
理由⑦ 傷・汚れが気になってしまう
高価な自転車は、高性能であるだけでなく、嗜好品としての側面もあります。ですので、いつもキレイにピカピカにし、所有すること自体に満足感を感じる、といった、ある意味、フェティッシュな楽しみ方も可能です。
でもサイクリングはアウトドア・レジャーですから、汚れたり傷ついたりが避けられません。所有よりも体験を重視するのであれば、汚れも傷も割り切れるよう、自分のフェティッシュマインドが発動しない価格帯におさえておくのも手です。
理由⑧ お金をかけて得られるもの、失うもの
最後ですが、
ある程度までのところ、所有が人間をいっそう独立的に自由にするが、一段と進むと所有が主人となり、所有者が奴隷となる。
ニーチェ
結局これですね。サイクリングの醍醐味は自由。自由になりたくて走っているわけです。昔の人は言うことが違いますね。 やっぱり自由が一番!!!
以上です!
ありがとうございました。
(おしまい)